過去ログ - 佐久間まゆ「あなたを待ちわびて」
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22: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 23:26:35.94 ID:RE0Y+nXd0
いま、あなたは何を感じているの?
いま、あなたは何を思っているの?
こんなに近くにいるのに。あなたの呼吸の音すらはっきりと聞こえる距離にいるのに、あなたは何も話さない。
……ちょっと前までのわたしなら、きっとすぐにあなたを求めていたでしょう。
あなたとのシルシが、キズナが見えていなかったあの頃のわたしなら、きっと。
以下略



23: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 23:27:04.93 ID:RE0Y+nXd0

「……」

「……」

以下略



24: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 23:38:49.67 ID:RE0Y+nXd0
あなたは何も話さない。
ねえ、あなたに出会ったあの日のこと、覚えていますか?わたしは今でも覚えていますよ。
読モ時代、スタッフさんの厚意で広島に旅行したときのことでした。
景色に見とれていたわたしがあなたにぶつかったとき、あなたをひと目見たあの瞬間……!
それは、なんと名付ければよかったのでしょう。
以下略



25: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 23:39:48.84 ID:RE0Y+nXd0

「……」

「……」

以下略



26: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 23:48:36.49 ID:RE0Y+nXd0
わたしはあなたの声を待つ。
あなたがいて、わたしがいる、ふたりきりの六畳一間で。
それは、一瞬のようでいて、永遠にも等しいと思うような時間。
ただ、あなたを待ちわびるこのひとときに、いつまでも浸っていたい。



27: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 23:50:10.46 ID:RE0Y+nXd0

ずっとこのまま、ふたりきりでいられたらいいのに。




28: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 23:52:40.67 ID:RE0Y+nXd0
ふと、わたしの心の中でそんな思いを……バラのとげのような心の痛みを感じる。
時間が止まってくれれば……。ずっと、ずっと……変わらないわたしとあなたでいられたら……。
別れの時なんて、永遠に訪れなくてすむのに。

そう、ぼんやりと思ったとき。
以下略



29: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 23:55:09.45 ID:RE0Y+nXd0

〜♪

……静寂を破ったのは、わずかに階下から聞こえる音楽だった。
わたしの知らない曲。
以下略



30: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 23:57:02.44 ID:RE0Y+nXd0
「……『きっと忘れない』」

あなたは不意に、そう呟く。

「そうか、……そうか。もう、そんな時間か」
以下略



31: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/06(火) 23:59:01.74 ID:RE0Y+nXd0
あなたは壁にかかった時計を一瞥し、合点がいった様子でわたしのほうに向きなおる。
わたしはその様子をぼんやりと見ていた。
そして、あなたとわたしの視線が合う。



32: ◆dCFehqwTmo[saga]
2016/09/07(水) 00:00:00.20 ID:2DraFmi40


「……まゆ、お誕生日、おめでとう」


以下略



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