過去ログ - モバP「白菊ほたると一輪の笑顔」
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18: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 13:09:57.11 ID:QSjMH8mi0
遠い目をしているのは、うん、きっと未来を見ているのだと信じたい。
俺にできることは少ない。こればかりは他人がなんと言おうと、最終的には本人の問題だから。
だとすればなにができるのか。
「今日は散歩に行こうか」
「えっ、レッスンはいいんですか?」
「うん、ちょっと休もう。変な癖がついても困るだろう」
「……わかりました。プロデューサーさんについていきます」
気分転換に出かける。時間的にも遠くに行く余裕はないので、プロダクションの周辺を歩くことにした。
外に出ると肌寒い風が吹いた。街路樹の葉が揺れて落ちてくる。空は高く、雲が薄っすらかかっていた。
改めて散歩をすると普段は気づかないお店や風景があった。小さな花屋やコーヒー豆の専門店、アクセサリーショップに酒屋。小さな公園の樹木は黄色く染まり、服屋には冬物が並び始めている。
「この辺ってあんまり歩いたことなかったんだよね。駅から会社までの往復ばかりでさ」
「私は何度か。そのときに見つけたのがあのすずらんです」
「ああ、すずらん。元気に育ってるよね」
「みなさんがこまめに世話をしてくれてますから。きっと私だけではダメでしたね」
最近では渋谷さんと相葉さん、五十嵐さんも加わり、丁寧に世話をされている。事務所にきたときよりもずっと、すずらんは元気に育っていた。
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