過去ログ - モバP「白菊ほたると一輪の笑顔」
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20: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 13:13:01.98 ID:QSjMH8mi0
「ほたるちゃんがどう思ってるのかは知らないけれど、俺はほたるちゃんと一緒にいれて幸せなんだ。だから、恩返し」

 幸不幸は解釈による。俺はどんな出来事も、ほたるちゃんといれば幸福に思える。

 ほたるちゃんは困ったように笑う。

「このお守り、肌身離さず大切に持ち歩くことにします……きっと、どんなお守りよりも効果があると思いますから。……ありがとうございます」

 それから数日後、お守りの効果もあってか、ほたるちゃんはスランプを脱した。トレーナーさんが絶賛するほど、急激に良くなった。

 当然、ステージは成功。

 ステージ袖に帰ってきたほたるちゃんは、呆然とステージを眺めたまま佇んだ。

「夢みたいですね。お客さん、みんな笑ってました。起きたら、なにもないなんてこと、ありませんよね」

 俺は無言でほたるちゃんの頬をつまむ。驚いたのか、肩を跳ねさせていた。

「いひゃいです」

「なら、夢じゃないね。大丈夫、本当に良かったよ。きらきらしてた」

 頬から手を放す。ほたるちゃんは感慨深げに頬をさすった。

「諦めないでよかったって、心からそう思ってます。はい……」

 ほたるちゃんの口元は緩んでいた。本当に嬉しそうで、俺は安堵する。ライブが終わり彼女が着替えている間、俺は不思議と涙が溢れて、抑えきれなかった。




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