過去ログ - モバP「佐久間」
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25:名無しNIPPER[saga sage]
2016/09/07(水) 23:35:14.85 ID:4GoJhFxk0
「か、顔を上げてくださいよぉ!」



 まゆが必死にそう言うと、Pさんは数秒後にゆっくりと面を上げました。
 そもそも、自分から言っておいてなんですが、あれはまゆが悪いんです。誰だって、いきなりキスされたらびっくりして正常な判断が出来なくなるに決まっています。

 Pさんはどこか申し訳なさそうな、けれど幾ばくかの期待を乗せたぎこちない笑顔をまゆに向けてきました。



「理解……してくれたか?」



 理解したか……ですか。
 理解したかしていないかで言われれば、まゆは全く理解できません。
 まゆなら、好きな人が視線を送ってきたら笑顔で返しますし、好きな人の言葉なら一字一句聞き逃さずにいつでも相談に乗りますし、相手が嫌がらない限りは名前で呼びますし、好きな人からキスをされちゃったら甘んじて受け入れます。
 そういった点では、まゆは永遠にPさんの事を理解できないのかもしれません。

 でも……たった一つだけ。
 Pさんがまゆのことを一番に想っているということだけは、分かります。
 理解、できます。

 よく見れば、Pさんのお顔は真っ赤です。お酒の匂いがするわけでもないから……恥ずかしいというのも、どうやら本当みたいですね。



「ふふっ……」

「な、なんだよ」



 恥ずかしさでお顔を真っ赤にするPさんが可愛らしくて思わず出てしまった小さな笑い声。
 余裕のなさそうなPさんは恐らく、黙りこくったまゆを見て不安になったのでしょう。表情が先程よりも固いです。


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