過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 15:58:25.91 ID:ROM1DOs8o

彼女「最初に申し上げた通り、この夢は私が貴女に見せている夢です。貴女の夢という舞台を借り、演目だけ私が決めている状態ですね」

澪「け、敬語なんだな」

彼女「はい、その方が個性が出難いので。私は私ではありますが、ひとつの集合意識でもあります。そして演者でなくてはならない。個としての個性は持つべきではないのです」

澪「集合意識・・・?」

彼女「一つの共通目的の為にのみ存在する、とお考えください。その目的の為に誰かを演じている個体が、私以外にも存在するのです」

澪「・・・その共通目的というのは、やっぱり・・・」

彼女「はい、恋愛成就です。主に同性間での縁結びを取り扱っております」

澪「なるほど・・・」


納得するほどの素材は揃っていないけど、理解はした。
理解すると同時に、彼女の存在がどういうものか、わかりやすいイメージが頭の中に描き出される。
恋愛を成就させるために存在し、個人に個性が無いため区別はつかず、そしておそらく上からの指示で動いている。
それはまるで・・・


彼女「我々は人の幸せを願う者。説話における恋のキューピッドのようなものとお考えください」


うん、まさにその通りだ。ハートの矢を持ち、射る事で縁を結ぶ天使。
でもキューピッド自体も本来は愛の神であるはずなのに、私の中にある『カミサマの命令で縁結びを行う、言わば実行部隊の天使』みたいなイメージは一体どこで培われたものなんだろう?
って、そんな事はどうでもいいか。恋のキューピッド、それ自体はロマンチックでいいと思うし。


澪「要するに、そのキューピッドさん達のうち一人が私の恋を叶えるためにここにいる、と」

彼女「そういうことです」

澪「・・・一応聞いておきたいんだけど、個別に名前とかは・・・」

彼女「ありません。個性は持つべきではないのです」

澪「やっぱりか・・・」


私の中では彼女は彼女のままであり、名無しの存在のままのようだ。
彼女の中にそういうルールがある以上は流石に勝手に名前をつけるわけにもいかないし・・・これはどうしようもなさそう。
そのことをどこか哀しく思う私のこの気持ちも、彼女には一切向けるべきじゃないんだろうな。



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