過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
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59:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 17:37:45.04 ID:ROM1DOs8o
女神様「カミサマとして言わせて貰うなら、澪さんが言ったようにいろんな人の記憶を弄る必要があるような立場だと必要な情報量が跳ね上がるのでオススメしません」
澪「となると、やっぱり無縁な子にするべきなのか」
女神様「そもそも記憶を弄られるのもイヤでしょう? 私としてもなるべく記憶に手を加えずに済むならそれが一番ですし」
澪「た、確かに」
唯「でも、それじゃ私達と会えなくなるんじゃ・・・?」
そうだ、お互いにここでの記憶は無くなるはずだ。情報量という見地からも忘れた方がいいのは確かだし。
だったら唯の言う通り、結局会えるかどうかという不安は残るんじゃ・・・
女神様「無縁だけど会う運命にある子、にすればいいのです。それこそ例えば隣に引っ越してくる予定の子、とかですね」
澪「な、なるほど」
唯「会う運命にある子、かぁ・・・」
女神様「運命なら私達カミサマの得意分野ですからね、多少の無理は通してみせます。安心して任せてくれて大丈夫ですよ」
運命、すなわち未来の事なら人の記憶を弄る必要もほとんどないだろうし、カミサマとしても楽なのかもしれないな。
・・・と、そこで一つの閃きが私の頭の中に生まれた。
今日の出来事から連想された閃き。これは我ながらいい閃きだと思う。
澪「あのっ!どんな立場になるか、私達の希望を言ってもいいですか?」
唯「澪ちゃん?」
女神様「いいですよ。何なら立場だけじゃなく性格とかも言っていいですよ。今のこの子はまっさらですから」
彼女「め、女神様!?」
女神様「あら、何か希望がありましたか?」
彼女「い、いえ、そういうわけではないのですが」
女神様「だったら、あなたの為に記憶を差し出してくれるあの子達の希望を聞くくらいいいでしょう?」
彼女「・・・自分の性格が勝手に作られるというのは居心地が悪いです。それにそもそも、私は彼女達の記憶と引き換えの生なんて望んでは・・・」
唯「えっ、一緒に来てくれないの・・・?」
危惧していた展開。他ならぬ『彼女』自身が拒むという、最悪の展開。
可能性としては充分にあった。彼女はそれほどに誠実で真面目で責任感がある。
私達が一方的に代償を差し出すだけで自分は何もしないなど、認められるはずがないのだろう。
実際、次の瞬間にその通りの事を彼女は言った。
彼女「・・・気持ちは本当に嬉しいです。ですが、自身は何もせずに幸せを享受するなど、私自身が認められません」
唯「幸せ、だって。そう言ってくれるのは嬉しいなー」
彼女「・・・問題はそこではありません」
澪「あなたは私達に幸せをくれたよ。だから、その幸せが少しくらいあなたに返ってきてもいいはずだ」
彼女「・・・ですが・・・」
澪「・・・せっかくだから私達が差し出す予定の記憶についても言っちゃおう。唯、いいよね?」
唯「うん。カクゴの上だよ」
変にカッコつけた唯に微笑みかけ、もう一度『彼女』に向き直る。
これから言う言葉は、彼女を怒らせるだろう。女神様も怒るかもしれない。でも、それだけの覚悟が私達にはあるという証明だ。
唯と利き手同士で手を繋ぎ、大きく息を吸い、口を開く。
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