過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
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60:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 17:38:38.27 ID:ROM1DOs8o

澪「――私達の恋心と引き換えだ。私達とまた友達になって欲しい」

彼女「なッ!?」

女神様「!?」

彼女「何を・・・何を考えているんですか! 貴女達二人が本当に心から互いを好きだったことは知っています!なのにそれを自ら手放すなど!」

唯「本当に好きだから、だよ。本当に好きだし、一度ここまで近づけたんだから・・・一度忘れてもきっとまた好きになれるって、信じてるんだ」

澪「あなたの後押しはないだろうから、いつになるかはわからないけどね。もしかしたら高校生のうちは無理かもしれない」

唯「でも、絶対にいつかまた好きって言えるようになる」


私達は、そんな未来を信じている。それが私達が話し合って出した結論だった。
『彼女』に沢山背を押してもらっておきながらこんな結論を出すのは説得力が無いかもしれない。でも、根拠はある。
私達はお互いに、出会った時から相手の事が気になっていたのだから。それでいて恋心だと自覚するまでは、私達らしい日常を過ごしていたのだから。
だから、出会いから全て無かった事にならない限りは、きっと辿り着く未来は同じ。私達はそう信じてる。


唯「だから、この気持ちを差し出すことで友達を一人引き止められるなら、それでいいかなって」

彼女「そんな・・・そんなこと・・・!」

女神様「・・・その選択は、この子の頑張りを無に帰すということですよ?」

澪「いいえ。さっきも言いましたが、彼女の頑張りが彼女に返ってくるだけのことです。善因善果です。決して無にはなりません」

女神様「・・・」


しばらく黙っていた女神様だったが、ゆっくりと両手を胸の前に持って行くと・・・ハートマークを作った。


女神様「満点です。それだけの『重い』想いなら、この子を現世に送り込むのに何の不自由もありません。貴女達の希望もほとんど叶えられるでしょう」

唯「やったー!」

彼女「め、女神様!?」

女神様「そろそろ卒業かなあと丁度悩んでいたところです。見知らぬ人の処に転生するか、二人の想いに応えるか・・・自分で決めなさい」

彼女「ですが・・・ですが、この二人は本当に純粋に、お互いの事が好きでっ・・・!」

女神様「ええ。この二人は純粋すぎるのでしょう。恋人と友人のどちらも大切にしたいと欲張ってしまう。それでいて恋情も友情も永遠だと信じている。それはとても危うい」

澪「あ、危ういかなぁ・・・私は唯を信じてるだけなんだけど」

唯「私も澪ちゃんを信じてるだけだよ」

彼女「・・・純粋に妄信してるように見えます」

女神様「でしたら、あなたはたとえ全てを忘れようとも、友として近くにいればいい。彼女達が道を踏み外さぬように、友として『楽しい日常』を提供すればいいのです」

彼女「楽しい・・・日常・・・」

女神様「日常で薄められた恋心は、僅かずつですが確実に積み重なっていきます。そしていずれ、二人にとっての幸せな未来へと正しく至る」

澪「幸せな未来・・・」

女神様「焦ったり、変に急ぎさえしなければ、そもそも私達のような月下氷人なんて必要ないのですよ♪」

彼女「女神様がそれを言いますか・・・」


月下氷人。縁結びのカミサマ。すなわち仲人。
それを必要無いとは、心強い言葉ではあるけど女神様が言うとなんかいろいろと台無しなような。
日常を過ごしていれば大丈夫と言われたんだから、本当に心強いんだけどね。



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