過去ログ - モバP「ロマンチスト・エゴイスト」
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13:名無しNIPPER[sage]
2016/09/09(金) 18:15:44.47 ID:hnFuSz2go
風呂から上がると、志希が布団もかけず、すうすうと寝息をたて、安らかに眠っていた。
ミニライブの疲れに心労もあったんだ。
今日くらい、ベッドは志希に貸してやるとしよう。
彼女に布団をかけてやり、部屋の電気を消す。
一服しようと鞄からタバコを取り出し、そこから1本だけ取り出して口に咥える。
せっかく気持ちよく眠っている奴の前で一服するのもどうかと思い、灰皿とライターを持ってベランダへ出ることにした。

カーテンを開け、ベランダに出る。
いつの間にか雨は止み、雲間からは月明かりが差していた。
まるで志希の心模様を表したかのような、清々しい空だった。
口に咥えたままのタバコにライターで火をつけ、タバコを吸って火を大きくする。
吐き出した紫煙が流れていくのを見ながら、布団をかけてやった時に感じた、甘い香りを思い出すと、急に女性を家に泊めているという実感が湧いてきた。
アイドル事務所のプロデューサーをしている自分には、女性に対する免疫は有る方だと思っていたのに、やたらとソワソワしてしまう。
しかも相手は一回り以上も年下の少女だぞ。

「枯れた中年ねえ」

ため息混じりの呟きが夜空に消えていく。
父性などとは違う何かから生まれたであろう感情を、とりあえずはタバコの火と一緒に灰皿でもみ消す。
部屋に戻り、起動したままのパソコンを見て、企画書の事を思い出した。
志希がアイドルとして輝ける場所を作ってやるためにも、もう一頑張りするとしよう。


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