10:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 20:32:47.58 ID:mHQTk8ix0
「ん…」
何時間ぐらい眠っていたのだろう。
重たい身体をソファーから起こす。
今回は夢を見ずに済んだようだ…
ふと柔らかい感触に気づく。
いつの間にか身体に毛布がかけられていたようだ。
「あら…Pさん、気がつきましたか?」
ちひろさんがいつもの笑みを湛えながら椅子ごとこちらに振り向く。
「ちひろさん、すみません俺…」
「まだお身体が優れないようなら、休んでいて大丈夫ですよ。それともお水でも飲みますか?」
「いや、俺仕事しないと…」
「それはダメです」
ちひろさんは少し険しい顔をしてキッパリと言った。
「小梅ちゃんから聞きましたよ?あんまり眠れてないんですよね」
「本当にただの寝不足ですんで…」
「部長に事情は話したのですが、今日と明日はPさんをお休みにするよう仰ってましたよ」
「マジですか…」
「マジです」
ふぅ…と我知らず溜め息が漏れた。
いい大人が、夢ごときで情けない。
しかし、今の精神状態で仕事をまともにこなせる自信も無かったのは事実だ。
申し訳ない気持ちは大きかったが、少しだけ安堵した。
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