5:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 20:23:52.44 ID:mHQTk8ix0
朝は小梅を送り届ける用事があったが、それ以降は特に外出する予定はなかった。
事務所にこもっての雑務処理は本来好きではないのだが、今日に限っては煩わしい作業も良い気晴らしになるだろう。
もちろん、夢のことをすっかり忘れられるほどではないだろうが…
午後三時を過ぎた頃、眠そうな顔の藤居朋が事務所にやってきた。
おおかた新しい占いにハマって夜更けまで起きていたのだろう。
普段なら小言でも挟みたくなるところだが、今は占いに没頭する朋の姿勢が頼もしくもあった。
「P、おはよ〜」
「おう朋。寝不足か?」
「うっ…まあちょっとだけね」
「そうか…」
「あれ!?なんか今日元気ないわね?」
「んー…まあ少し心配事があってな」
「えっ、何なに?占いで解決できそうなことかしら!?」
能天気というか何というか。
その前向きさを分けてもらいたいくらいだ。
そんな朋の様子は、漠然とした不安を抱えた俺にとって有り難いものではあるが…
「朋…夢占いに自信はあるか?」
「もちろん!気になる夢でも見た?」
「ああ…」
自分が溜め池のほとりに立っていたこと。
そこでゼリー状の“何か”に襲われたこと。
その際感じた俺の恐怖と動揺。
なるべく事細かに説明するよう努めた。
話している途中、我ながらよくここまで仔細に覚えているものだと思ったが…
「うーん…夢占いだと基本的には湖とか水たまりは安心の象徴にされるわね」
「えっ、それなら…」
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