過去ログ - ありす「あのっ!」 杏「んぁ……?」
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36: ◆fuWkWfr/Bc[sage]
2016/09/09(金) 23:29:34.23 ID:qEnsLMCCo

司会『――』

ありす(司会の声が聞こえてくる。でも、何を言っているのかは分かりません)

ありす(心臓の音が大きい。一回一回鳴る毎に、耳が遠くなってこの世界から遠く離れていくような、そんな感覚)

ありす(体に力が入らないのに、なぜか立てている。いや、もう地面に立っているという事実でさえ曖昧に思えてきます)

ありす(両手で握り締めたマイクは少し大きめで、私の手には余ってしまう。そんなサイズが不安を掻き立てて)

ありす(……今ここには、私しかいない。プロデューサーも……杏さんも)

ありす(プロデューサーは、緊張しないでリラックスして頑張れと。杏さんは、レッスンでやった通りにやればいいと。そう言ってくれました)

ありす(大きく息を吸い込んで、口から吐き出す。唇が震えているのを自覚します)

ありす(ついに出る時間がやってきたようで、スタッフさんが目でこちらに促してきました)

ありす(ぎゅっとマイクを握り締めて、顔を上げる)

司会『――橘ありすちゃんです!』

ありす「――!」

ありす(名前が呼ばれ、駆け出す。暗い舞台袖から、光が満ちるステージへ――)

ありす(……そこで見たのは、たくさんの人たち。人気アーティストのように、ドームを埋め尽くすほどの人々、というわけではないけれど)

ありす(それでも、私からすればたくさんの人たち、でした)

ありす「っ……」

ありす(思わず、言葉に詰まってしまう。それが契機となって、何を話すべきなのかを一気に忘れてしまいました)



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