過去ログ - 裕子「特別なことができるなら」
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30: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/09/10(土) 22:10:25.37 ID:jzgcTAa+0

小惑星落下という危機を前に、ついに脳の解放率が60パーセントとなった裕子は、限定的な未来予知まで身につけた。
しかしそれがなんであるかなど今の裕子にはどうでもよく、ただただプロデューサーが消えてしまう光景が悲しくて、
気付けば彼女は涙を流してしまっていた。

裕子(まだ、泣けるんだ……)

自分がおかしくなってきていることを自覚している裕子にとって、こんな時でも泣けることがなぜか嬉しくて、そうやって
嬉しいと思えることがまた嬉しいのか、そのまま座り込むと、少しだけ空を見上げて想起する。

裕子(そういえば……初めてスプーンが曲げられた時も、とっても嬉しくて……)

小学校の給食の時間に起きた出来事。今にして思えば、ただの見間違いや偶然だったのかもしれない。それでも
初めて曲がったスプーンを見た時以来、裕子は特訓と努力を重ね、多くの人から疑われたり嘲笑されながらも
負けずに突き進んできた。

裕子(……今なら、持ってこれるかな?)

手元に力を込めてむむっと唸った裕子の前に、ぐにゃぐにゃになったスプーンが現れる。それは裕子が初めて
自分の力に気付いたきっかけとなった小学校の時のスプーンであり、かつていつの間にか失ってしまっていた
物でもあった。

裕子(……出来た! ふふっ……もしかしたら、昔なくしたのも未来の私がこうして取っちゃったからですか?)

誰に問いかけるでもなく独りごちた裕子は、手にしたグニャグニャのスプーンを見て少しずつ朗らかな笑みを
浮かべていく。それはとてもいつもの裕子らしい笑みで、見ている者がいれば、裕子から失われていたものが
戻ってきているかのような感覚を味わっただろう。

裕子P「……ユッコ?」

裕子「ふぇ!?」

そしてその見ている者であったプロデューサーは、裕子が四ヶ月前まで普通にしていた明るい笑みを浮かべていることに
少しだけ驚いた後、とても嬉しそうな口調で裕子に声をかけてきた。

裕子「え、え!? プロデューサー!? どうしてここに!? いつの間に!?」



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