33: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/09/10(土) 22:18:49.68 ID:jzgcTAa+0
裕子「もしかして……プロデューサーが私を信じてくれるのは……」
裕子P「初めて会った時にこんなの見せられると、信じるしかないから。サイキックアイドルになるのはこの子しかいないって」
裕子「……ッ!」
ぐにゃぐにゃになったスプーンと、折れ曲がったスプーンを手に持って、改めてサイキックアイドルという言葉を
聞かされた裕子は、それ以上何も言えず、言葉に詰まって嗚咽してしまう。
裕子(そうだ、私はサイキックアイドルを目指してたんだ。それも1人でじゃなくて、プロデューサーと一緒に、トップまで!)
脳が覚醒したことで、いつしか自分の力を見せつけることだけを目的としてしまっていた裕子は、ここでやっと
自分が本来何を目指していたのかもを思い出す。
多くの人々を楽しませて、自分も楽しんで、そしてプロデューサーと一緒にどこまでも。それが堀裕子の進む道であり、
決して忘れてはいけないことだったのだ。
裕子「……思い出しました。プロデューサー、私達が目指すべき場所を!」
裕子P「……そっか」
すでにその目には空虚さがなく、諦観もしていないことを見て取ったプロデューサーは頷く。未だに
脳の覚醒は続いているはずだが、きっともう裕子は大丈夫であると。
そして自分が何者であるかを思い出した裕子は空を見上げ、太陽の方角に目を凝らして視覚を強化し、接近してきている
小惑星を見つけると、覚悟を決めて改めてプロデューサーと向き直った。
裕子「それでプロデューサー。私がこうして特別なことができるなら、やるのが使命だと思うんですよね! だから東京に
近づいてきている小惑星を」
裕子P「……どうするつもり?」
裕子「破壊します! ……って言えたらカッコ良かったんですけど、流石にアレは今の私でも壊すのが無理そうです。なので
壊すんじゃなくて、地球にぶつからないように逸らしてみようかと! ……それも出来るかどうか不安ですが……」
すでに小惑星の落下まで40分を切っており、民間でもかつてロシアに落下した隕石のことを覚えていた
人間が太陽側を観測していたこともあって、騒ぎが世間に広まり始めている。
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