過去ログ - 裕子「特別なことができるなら」
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36: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/09/10(土) 22:27:22.46 ID:jzgcTAa+0

裕子「これ……来たぁ!  来ましたよー!! ここだ、ここです! むむむむーん!!」

いつの間にか自分の周囲を漂っていた粒子すらも小惑星に向けて放っていた裕子は、その両目から血の涙を流し、
小惑星を受け止めている状態になっている両腕を赤熱させながら、最後の脳の覚醒を行う。

ガチリと、遠い何処かの歯車と噛み合った感触のあと、裕子の脳はその力を99パーセントにまで解放し、ついに
小惑星と自分ただ2つだけの存在がある空間へと認識が吹き飛んだ裕子は、せめて声だけでもプロデューサーに
届けとばかりに叫ぶ!

裕子「逸れろー!! ムムムムーン!! そーれーろぉおおおお!!!」

――オオオオオオオッ!!!

瞬間、小惑星がまるで悲鳴のような音を上げた幻聴を裕子の耳は聞き取り、直後、吹き飛んでいた空間から、元のプロダクションの
屋上へと裕子は戻ってきた。
実際のところはずっと裕子の身体はそこにあったのだが、たしかに彼女の意識は別の世界へと吹き飛んでいたのだ。

そして、落下予定5分前。地球に直撃するはずだった小惑星はその軌道を大幅にずらし、ついに多くの人々が
肉眼でも捉えられる距離にまで接近してきた。
小惑星は美しくグラデーションをする粒子を纏ったまま空を横切り、幻想的な尾を残しながら地球を去っていく。
その光景を、その時空を見上げられる場所にいて、そして実際に空を見た人々は決して忘れないだろう。

裕子P「……なんて、ステキな……」

小惑星が空に残した美しい粒子の線を見ながらそう呟いたプロデューサーは、この光景が彼女自慢のアイドルが頑張った結果で
あることを誇りに思いつつ、微動だにしない裕子に近づいていく。

裕子P「ユッコ、お疲れ様……。やっぱりユッコはすごい……ユッコ?」

裕子「……えへへ、やったんですね……私……なにも見えませんけど……でもプロデューサー……」

裕子P「ユッコその目!?」

裕子「私……ミラクル起こして……みせました……よ……」

そこで限界だったのか裕子は両目から血の涙を流した状態のまま、それでも満足そうに微笑んで、その場に崩れ落ちるのだった。



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