過去ログ - 1人だけ記憶の戻ってしまった三葉の話
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2:名無しNIPPER[saga]
2016/09/11(日) 12:09:32.10 ID:rMd6G09pO
「いやー、瀧はすごい!内定は全然ゲット出来なかったのにこんな可愛い彼女は簡単にゲットしちゃうんだから」
「うるせーよ、内定の話は余計だろ」
 時間の緩やかに流れる喫茶店。奥ではコーヒーポッドから湧き上がる湯気が、少し低めの天井に当たって店の中に広がっている。
私達の声のほかには、少しだけぼやけた外の喧騒と、あとはカップとソーサーの擦れる音だけが響いていた。

「いや、でも本当にすごいよ。だってまだ4月だぜ!?早すぎだろ」
「早速、社会人ラブ満喫してるよなあ」
司くんと高木くん、2人の興味は尽きる事を知らない様だった。

 瀧くんは知らない。私がもっと前から君を探してた事を。
2人はもっと前から出会っていたのだという事を。





 この広い日本で、2人は運命の糸で結ばれてるからきっとまた出逢える、なんて考えられる程、私は少女ではいられなかった。
大学で上京してからは何でもした。君の通ってた高校、バイトしてたレストラン。記憶を頼りにどこへだって行った。

 8年前のあの頃、風の様に来て風の様に一瞬で去っていったあの毎日。
それだけを頼りに実体の見えない影だけの君を、手探りしながら日々を過ごしていたんだ。







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