過去ログ - 星輝子「第3.5回 フレ志希のケミカルカオスキュートラジオ(仮)」
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18: ◆mBiXSAH/fw[sage saga]
2016/09/14(水) 00:11:14.79 ID:+hqPN1mO0

BONUS TRACK.毒茸伝説

わたしは祖母の語り話が好きだ。
心に染み渡る声。語られる波乱万丈な主人公たちの人生。
その中でもお気に入りがこの話。
何度も聴いているけど、感情が揺り動かされる。勇気が沸いてくる。
続きが聴きたくて先を促してしまう。

「……それで、毒茸部隊は……どうなったんだ?」

祖母はゆったりと続きを話す。

「毒茸部隊は屍山血河の果てに、タケノコ帝国を制圧。
しかし時すでに遅く、男の愛娘を救うことは出来なかった。
一つの夢が破れた主人公……。
じゃが揺るぎない意思で立ち上がり、キノコ王国の中枢を抑えたのじゃ。

「両国の中枢を打ち砕いて歴史を作り上げた三百人の兵士達は、戦いで大半がたおれた。
数人の生き残りが心優しき賢人たちと協力して両国を統合。
それを期に奴隷制度を撤廃し、メイジ共和国を作ったのじゃ。
そして毒茸部隊は表舞台から姿を消した。
国の高官になって豊かな暮らしだって出来ただろうに全てを投げ打ってのう。

「世界は平和になり、その国ではキノコもタケノコも分け隔てなく愛されている。
今日もシイタケ平原にはシイタケと菜の花がすくすく育っているのじゃ。
おしまい」

「……そうか。歴史を作ったのに、残念だな……」

「そんなこと無いのう。きっと宿願を果たして満足したのじゃ。
きっと消息を絶ったのも、戦友を弔うためなんじゃ」

「……そっか。そうだな」

「しょーちゃんも毒茸部隊みたいに勇気を出して、世界を変えなくちゃいけないのう」

「……うぐぅ」

友達が居なくて、いつも一人で公園に居るのを見られていたらしい。

「しょーちゃんが気にしている髪も、キレイな銀髪じゃ。
勇気が出るようにキノコの洋服を着てるんじゃから、今日は友達できるわい。
今日はお気に入りの、この本をあげよう。
……この本が更なる勇気と、きっかけをくれるはずじゃ」

差し出された本を受け取る。

「……わかった。ばーちゃん、勇気を出して、行ってくる」

「いっといで。車に気をつけるんじゃよ」



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