過去ログ - 姫川友紀「好きって気持ち、少しまえ」
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◆saguDXyqCw
2016/09/14(水) 00:36:47.94 ID:Gp4ENr9z0
さっきのお母さんとの電話を思い出した。
「だれか、いい人ねぇ……」
正直、ピンと来ない。
寂しいとは思うけど、誰かと言えば別にいないし。
お母さんには野球選手とか言ったけど……うーん。
たしかに野球選手は、子供の頃からの憧れだ。でも、今のところ憧れは憧れなんだよな。
じゃあ、一緒に住む相手を想像して――お兄ちゃん?
あたしも結構ブラコンかも。それとも単に子供なのかな。
ほかの相手となると――プロデューサー?
「いやー、ないかな……」
信頼はしてるけど、そういうのとはちょっと違う気がする。
「ま、考えても仕方ないか。今はねこっぴーがいるもんねー」
自分に言い聞かせるみたいに、大きく独り言。
強く抱きしめたぬいぐるみは、つぶれてちょっとぶさいくになった。
少し早いけど、もう寝ようかな。
ねこっぴーを抱えたまま、あたしは体を起こす。
「今日は一緒に寝ちゃう?」
ねこっぴーに顔を近づけ、鼻をデコピン。頭が小さく上下に揺れた。
「いやあん、大胆だねねこっぴーは。じゃあ、今日は特別だよー」
へへっと笑いながら、あたしはねこっぴーを抱えて隣の布団に移動した。
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