18:名無しNIPPER[saga]
2016/09/14(水) 21:10:42.66 ID:BjprVN+x0
曜「……。」
善子「……。」
帰り道、曜と2人になった。
曜は見るからに意気消沈していた。
善子「曜さん。」
曜「うぇ!な、なに?」
善子「あの、千歌さんと喧嘩したって…。」
曜「ななななんで!?…あ、梨子ちゃんか…。」
少し考えて納得したらしい曜は、大きく息を吐いた。
曜「善子ちゃぁぁぁぁん…どうしよぉぉ……。」
自分はというと、少なからず困惑していた。
千歌にしても梨子にしても曜にしても、自分にとっては眩しい先輩たちだ。
外の世界は眩しすぎると言うくせに、自分の世界にも籠りきれず、ちらちらと外を窺っていた自分を
引っ張ってくれた、尊敬すべき人たちだった。
それが、揃いも揃って喧嘩したり凹んだり、梨子と曜に至っては自分なんかに泣きついてくる。
しかし、梨子に約束してしまったのだ。
善子「ふ、ふふん、なんでもこのヨハネに話してみなさい!えーっと、その…。」
なぜか曜と一緒にいるといつもの調子が出ない。
なんだか堕天使ヨハネが急にちっぽけなものに思えてしまう。
曜「うん…、前、千歌ちゃんとの特訓の話はしたと思うんだけど…。」
黙って曜の話に耳を傾ける。大筋は梨子から聞かされたものと変わらなかった。
だから、内容よりも曜の様子に注意を傾けた。
下がった眉、せわしなく動く目線。
動揺しすぎである。
あの日憧れた白い輝きはすっかり色褪せてしまっていた。
善子「クク、ククク…!迷えるリトルデーモンよ…この聖書を受け取るがよい…。」
曜「よ、善子ちゃん?ふざけてるわけじゃないんだけど…。」
曜の言葉は無視する。今は、どうしてかすんなり言葉が出てきた。
善子「天界の針が八つ時を刻むとき…この呪文を遥かなる知識の海で唱えるがよい!」
伝えるだけ伝えて、曜を置いて走り出す。
曜「ち、ちょっと善子ちゃん!?もう!」
後ろで曜が怒っていたが、無視して走り続けた。
39Res/45.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。