20:名無しNIPPER[saga]
2016/09/14(水) 21:13:13.70 ID:BjprVN+x0
パソコンの前に戻ってくると、配信が始まって数分すぎたところだった。
いけない、遅れてしまった。
曜「えっと、このページかな…?」
動画を見る。
画面の向こうにはろうそくのぼんやりした明かりと、
その奥で不敵に笑う善子の姿があった。
善子『さて、次のリトルデーモン!今日のことをヨハネに懺悔しなさい!』
善子の声に合わせて大量のコメントが画面を埋める。
…すごい人気だ。
『最近居眠りがひどくて…』
『親と言い争いしちゃいました…』
『ヨハネ様、どうして人は生きるんですか?』
小さなものから大きなものまで、様々な質問が寄せられている。
どうやら善子は「リトルデーモンのお悩み相談室」のようなコーナーを設けているらしかった。
今は寝不足だというリトルデーモンに、運動したうえで長めにお湯につかって早めに布団に入るように
回りくどく伝えている。
…主治医か。
なぜ善子はこれを自分に教えてくれたのだろう。ここで相談しろということだろうか。
『友達と喧嘩してしまいました。どうすればいいですか?』
試しに打ち込んでみたが、同じような大量のコメントに埋もれてすぐに見えなくなってしまった。
それからも善子はいくつかのお悩みをやたら所帯じみたコメントで解決すると、
突然笑い始めた。
善子『アーッハッハ!甘い!甘すぎるわ!ククク…、そんな甘々なリトルデーモンたちに堕天使ヨハネが天界からの福音を授けましょう…。』
いろいろ混ざりすぎである。
どうやらお馴染みの流れなようで、コメント欄には先を期待するものが多く流れていた。
善子『今日の福音は…これよ…。ククク、愚かなリトルデーモンに意味が分かるかしら…?』
トンっと軽い音とともに何やら白い紙が画面に映し出される。
曜「えーっと?『5人の大人と5人の子供が円形のテーブルに座るとき、大人と子供が交互になるような――』」
どう見ても数学の問題であった。
曜「えぇ…。」
どうやら後半は「堕天使ヨハネの社会復帰を応援するコーナー」だったらしく、
親切なリトルデーモンが数学の問題をコメントで解説してくれていた。
善子は真剣な顔でそれをメモしていく。
曜「これでいいのか善子ちゃん…。」
あまりにも自分の生活を曝け出しすぎじゃないだろうか。まあ、善子がいいならいいのだが。
くすりと笑ってページを閉じる。
不思議と気持ちは軽くなっていた。
―――
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