3:名無しNIPPER[saga]
2016/09/14(水) 20:48:54.80 ID:BjprVN+x0
曜「ねえ、元気出た?」
善子「えっ…。」
勝手に練習した後、体を拭きながら唐突に聞かれた。
善子「うん、ありがとう…。」
驚くほど素直に言葉が出た。やはり、敵わない。
今日は曜と2人で出掛ける予定だった。
コスプレ趣味のある曜は、2人一緒なら出歩いても恥ずかしくないだろうと自分をショッピングに誘ったのだ。
制服(浦の星のものではない)女子と、黒い羽根を振り歩く自分。
それは本当に恥ずかしくないのだろうかと疑問に思った。
曜とは帰り道は同じだったが出掛けるのは初めてだったので、前日は入念に準備をした。
ところが当日、雨は降るしバスは来ないし、待ち合わせに遅れるどころかボロボロの姿を晒す羽目になってしまったのだ。
悔しいやら申し訳ないやらでずっと押し黙ったままだった自分を心配したのだろう。
よかった、なんて笑う曜の表情が眩しくて、目を細めた。
曜「ねね、じゃあプリクラ撮ろうよ!せっかくだしさ!」
善子「え、さっきも撮ったじゃない。」
曜「何枚あってもいいんだよ!それに善子ちゃんに笑顔も戻ったしね。」
そういうことをさらっと言うあたり、自分とは生きる世界が違っている。
善子「ま、まあいいけど…。」
ヨハネよ、と訂正する気は完全に失われていた。
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