過去ログ - 【デレマスSS】あなたの温度【藤原肇】
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/15(木) 23:46:52.07 ID:IDZYafcJ0
「ほかにも果物はありますがー、もうよろしいのでー?」
「うん、まだ食欲はあまりなくて…」
それにこれ以上“あーん”をしてもらうのは気恥ずかしい。
食欲がないのも本当だけど。
「ではお薬をばー。お白湯を持ってまいりますー」
「何から何までありがとう。せっかくのお休みなのに、ごめんね」
「なんのー。特に用事もありませんでしたゆえー」
薬と湯呑を受け取り、飲み下す。
桃とお白湯、薬のおかげか、のどの調子は少しマシになってきたみたい。
「それではまたー、ゆっくりと休まれますようー」
立ち上がろうとする芳乃ちゃんの袖を握ったのは、自分でも意図せぬことだった。
「あっ…」
「…ほー?」
「えっと、あのね、風邪を移しちゃうかもしれないから、無理にとは言わないんだけど、芳乃ちゃんがよかったら、もう少しだけお話しできないかな…?」
「…承りましてー。ふふふー、そなたがお願い事を言うのは珍しいですなー」
にこにこと腰を落ち着ける芳乃ちゃん。
少し恥ずかしいが、こうして甘えてしまうのは風邪で気が弱っているせいだということにしてほしい。
「いいでしょー、この依田は芳乃、そなたの願いをかなえましょー。あと二つまで願いをかなえてしんぜよー」
「ふふ、可愛いランプの魔人さんありがとう。じゃあ、私の風邪を治してくださいな」
「残念ながらその願いは私の力を超えておりましてー」
「そっかー、ランプじゃなくてボールのほうだったかぁ」
「もしも病ではなくー、呪い(まじない)であれば打つ手もあったのですがー」
「うーん、それは聞きたくなかったかなー、小梅ちゃんは喜びそうだけど」
他愛無いやり取りがとても楽しい。
さっきまでは長く感じた時間が、あっという間に過ぎていくようだった。


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