過去ログ - これから日記を書く 6冊目
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28: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/09/20(火) 02:57:41.22 ID:uFf99hn+0
今日はいい晴天だった。吹雪と曇天が続き、気が滅入るような淀みの様な天候より、晴れ間の方が好ましい。西切はそんなことを思って、ふと空を見上げていた。そんな余裕を考えていられるのも、今日の探索が思っているよりも好調で、高速道路の料金所前まで確保が完了して周囲の制圧まで進めることができたからだ。

今彼女がいるのは、各自の探索が終わったメンバーが集合の場所とした十字路で、確保のため1人、ガードレールに腰かけてる。大ざっぱな制圧は移動時にメンバー全体で行うのもあり、もちろん安全確保の側面もあるが、見も知らぬ第三者にそれまでに回収した物資を奪われないようにする為の意味合いが大きい。

ふと、光が目に入った。瞬間目を閉じて、それが赤い光だと少し遅れて気づいた。素早く立ち上がって、得意の獲物である弓矢を取り出す。視線を向け、そこにいた存在に最初に抱いた彼女の感想は、歩く鉱石だった。

動きは鈍重だが、着実にこちらへ向かっている。まるで、身体から赤く尖ったクリスタルが生えたかのように飛び出していて、それが光を反射させている。他のメンバーがなぜ気づかなかったのかと、不思議なぐらいに派手な存在だった。何にしてもそれが変異体なのはわかる程度に、人型だった。

弦を引き絞り、狙いをつける。頭部はその赤いクリスタルで覆われていたが、それ自体がなんであるかを確かめる為に弦を解放する。彼女の思った通りに頭部へ吸い込まれる矢は、そのまま弾かれた。だからといって、西切に驚きも落胆もない。


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