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874:ブレイクタイムでもなく本編に関わりは多分ないと思う幕間  ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/03/03(金) 19:35:16.87 ID:HHmJOnIe0
『それぞれの適応条件』

 今回はうまくいった方だ。潜り込んで、必要な物資を強奪する。必要なら信用を得てからメンバーに加入して、そこから少しずつ盗み出すこともある。襲撃をかけて奪うのは、弱小すぎる連中だけ。銃を使うには、その弾薬が勿体ない。

 つまるところ、人から物資を奪いながら、自身には何らデメリットがないのは、盗みということになる。メンバー加入での横流しも、長期間奪い取ることやしばらくそこでの生活が保障されるメリットはある。ただ、発覚した際に、その勢力での私刑がどうなるかが保証はないということだ。

 仮に自分が失敗したところで、誰かが助けに来るわけでもない。

「ここまでで大丈夫か。ふぅ」

 女は一息つく。事態が発覚する前に、うまくゾンビの集団に襲われてはぐれた。という状況に持っていけたことに満足する。ゆっくりと、煙草を取り出して一服する。

 必要なものは横流し出来たのと、あそこの連中のメンバーに関する能力も大まか把握できた。運が良ければ、今日一緒に探索へ出たメンバーが、あの群れにやられているとありがたかった。
 
「は、やられてるか」

 そのメンバーが自分を助けようとしたことに、暗い笑みを浮かべる。他の勢力に属する女だったが、結局そこのメンバーさえも信用していない。そこの人間も自分を信用していないというのはあるが、彼女にとって生き残るのに必要なのは利用することだった。

 自分はこの世界に、誰よりも適応しているという自負があった。少々時間はかかるだろうが、そのうち文明は戻ってくる。それまでは、人を陥れても生き延びる、手段を選ぶ余裕はない。信用や信頼と言った言葉自体が、今の女には嫌悪感しかなかった。

 それにそんなものがなくても成果を出せばいい。自分にも利用価値があると認識してもらえる方が重要だ。まだ使えそうな物資はあったが、今回は最低限横流しできたことで満足と女はした。

「(さてと、無線。届きゃいいけど)」

 本来の勢力に連絡を取る。そこのメンバーが他の生存者について情報があれば、新たな任務が始まる。


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