937: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/04/08(土) 19:25:57.12 ID:2jTvHRYf0
『…ェック…のむ、ど…ぞ』
地下道にいるからだろう、佐田からの無線の音声がとぎれとぎれに聞こえている。蒲谷は、むしろ繋がる方が不思議に思いつつ、監視カメラの配線を繋いだ端末を確認する。送られてくる映像はそれなりにクリアで、いつもの不機嫌そうな彼の表情があった。
「うんうん、問題なさそうだよ。どうぞ」
『…もんだ…ないんだ…? な…切るぞ。どう…』
やはり、あちらも聞こえづらいのか。疑問を浮かべた顔をしている。問題ないと再度告げて、蒲谷も無線を切った。これで、地下道から近づいてくる不審な存在を確認して、素早く対処することができる。
幸い手に入れていた物資の中に、市販の暗視用監視カメラがあった。薄暗い地下道も、そのおかげで電灯の点いた屋内程度の明るさで端末に移る。これで地下道からの侵入を許すとなれば、警備する人間の油断ぐらいだろう。監視カメラや配線も、そこを通る存在に気付きづらいようにカモフラージュを施している。相手に気づかれず動くことも可能だろう。
とはいえ、今襲ってくるのはパラノイアぐらいしか想定していない。この程度の防備で防ぎきれるものではないのは確か。それでも、打てる手は多いに越したことはないのだ。
「さてと、ロックにも繋いで同時に監視するようにしないとね。うん」
その配線を接続しながら、そろそろ拠点の発電と蓄電量、それに対しての動かしている設備の消費量を考えると本格的な発電施設の着手。これはもう後手に回せないことを蒲谷は感じていた。
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