過去ログ - 神谷奈緒「自分勝手なプロデューサー」
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15: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2016/09/16(金) 18:46:49.04 ID:eKIwUouU0

洗面所に行くと新品の歯ブラシが置いてあって、それで歯磨きを済ませリビングルームに戻ると
そこにはプロデューサーさんの姿はもうなかった。

どこに行ったんだろ、と部屋を見渡すと、ベランダへの窓が開いていることに気が付く。

ベランダへ出ると、プロデューサーさんはそこにいて、手すりにもたれて空を眺めているみたいだった。

「やっぱり夜はちょっと冷えるわね」

「そうだなー、もう秋かー」

「この間まで、夏だったのにね」

「ほんとになー」

「そういえば、今夜は中秋の名月、っていうらしいわね」

「十五夜、っていうもんなー」

「月が綺麗ね」

「あー! それアタシが言おうと思ったのに!」

「あら。奈緒も意外と詩人なのね」

「人のセリフ取るなよなー、全く」

「ふふふ。私達にはロマンチックなセリフは似合わないわねぇ」

「ムードも何もあったもんじゃねーからな!」

「じゃ、似合わないことついでにもう一つ」

「何? なんかあるのか?」

「0時ぴったり。お誕生日おめでとう、奈緒。これ、プレゼントよ」

「……ほんとに嬉しいよ。今日は何から何までありがとな」

「開けてみてよ」

「うん。………ネックレス?」

「そ。奈緒って洒落っ気ないから。ちょっとはアクセサリーもつけなさい」

「へへ。大事にするよ」

「大事にせず、毎日つけなさいよ?」

「分かったって!」

「つけてない日は髪の毛わしゃわしゃするからねー」

「もー! 分かったって!」

「分かればいいのよ。ほら、もう遅いから今日はもう寝なさい」

「うん。おやすみ」

「おやすみ」

ベランダから部屋へ戻って窓を閉め、戸締りを確認すると
電気をぱちんぱちん、と落としていく。

なんだか、濃い一日だった。

気がする。



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