過去ログ - 神谷奈緒「自分勝手なプロデューサー」
1- 20
4: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2016/09/16(金) 18:36:26.75 ID:eKIwUouU0

電車を降りて改札を抜けると、駅の前に見慣れたプロデューサーさんの車が停まっていた。

アタシが気付いて、駆け寄ると、ドアのロックが解除されて、アタシはそのまま助手席へ乗り込む。

「来るなら来るって言えよなー、アタシが気付かなかったらどうするつもりだよ」

「ごめんごめん。でも、奈緒なら気付いてくれると思ったから」

「ほんと、そういうのさらっと言うよなー」

「どういう意味?」

「別にー」

「怒ってる……?」

「怒ってねーよ!」

「……ホントにごめん! 忙しい時期ってのは分かってる」

謝るセリフが、少し前のアタシと一言一句変わらなくて、思わず吹き出してしまった。

「ぷっ、あはは。いや、ほんとに怒ってねーから! 第一、プロデューサーさんのせいじゃないの知ってるからな!」

「笑うとこ? あ、もしかして怒ったふりして、からかってたの?」

そんなつもりは全くないけれど、そういうことにしておけば
普段、からかわれてる仕返しになるかな。

「そうだよ! これに懲りたらもうアタシをからかうなよ!」

えっへん、と胸を張ってそう言ってやると、プロデューサーさんはアタシの頭を「こいつー!」と言いながら
わしゃわしゃと撫で始める。

「わー!! もう、やめろって! そういうのをやめろって言ってんだよ!」

アタシのそんな悲鳴も意に介さないで、この人はわしゃわしゃし続ける。

「おい! 信号! もう青になるから!!」

「んー、じゃあ次の赤信号ね」

「もー!! こんな車乗るんじゃなかったよ!」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
20Res/16.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice