過去ログ - モバＰ「こんな日に」神谷奈緒「こんな日だから」 -SS速報VIP

過去ログ - モバＰ「こんな日に」神谷奈緒「こんな日だから」

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100: ◆NsCH.Z2QB2[sage saga]
2016/09/16(金) 22:16:02.15 ID:Fc/J9E+p0

「――お姉ちゃん？　お顔が赤いよ？」

ハッと気づくと少女が奈緒の目の前に立っている。

101: ◆NsCH.Z2QB2[sage saga]
2016/09/16(金) 22:16:52.98 ID:Fc/J9E+p0

「この度は本当にありがとうございました。
　連絡くださった方から、奈緒さんが雨具を壊してしまったと聞いて」

102: ◆NsCH.Z2QB2[sage saga]
2016/09/16(金) 22:17:30.68 ID:Fc/J9E+p0

　　＊＊＊

103: ◆NsCH.Z2QB2[sage saga]
2016/09/16(金) 22:18:27.21 ID:Fc/J9E+p0

頼子に頼ろうかと思って携帯を取り出すと、電池の残量が一桁になっていた。

「マジか……」奈緒は苦々しくつぶやく。

104: ◆NsCH.Z2QB2[sage saga]
2016/09/16(金) 22:19:07.36 ID:Fc/J9E+p0

コォォォという地響きに近い音の直後、空気を切り裂くような鋭い音が鳴った。
鳴った、と表現するよりも、振動したと表現した方が適切かもしれない。

105: ◆NsCH.Z2QB2[sage saga]
2016/09/16(金) 22:20:03.14 ID:Fc/J9E+p0

「やっばい！」

奈緒は走ろうとしたが、立っているのもやっとであった。

106: ◆NsCH.Z2QB2[sage saga]
2016/09/16(金) 22:20:43.36 ID:Fc/J9E+p0

その時、手に提げていたプロデューサーの傘が、するりと抜けてしまう。

「あぁっ」

107: ◆NsCH.Z2QB2[sage saga]
2016/09/16(金) 22:21:18.31 ID:Fc/J9E+p0

おそらく時間にしたら一分もなかったのであろう。
しかし、奈緒にはその十倍の時間には感じられた一瞬であった。

108: ◆NsCH.Z2QB2[sage saga]
2016/09/16(金) 22:22:01.20 ID:Fc/J9E+p0

しかし、奈緒の手に安物の傘は残らなかった。

彼女はフラフラと大通りとは異なる街並みを歩いた。

109: ◆NsCH.Z2QB2[sage saga]
2016/09/16(金) 22:22:33.11 ID:Fc/J9E+p0

『はい、頼子です。………………あれ？　奈緒さん？』

「よ、頼子さぁん……」かろうじて泣くのはこらえた。

110: ◆NsCH.Z2QB2[sage saga]
2016/09/16(金) 22:23:16.19 ID:Fc/J9E+p0

『あ、ごめんなさい、奈緒さん。今、どなたかが来たみたいで』

「う、うん、大丈夫だから、頼子さんは事務所に来た人を」

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