過去ログ - 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」淡「はおまけ!」咲「おまけじゃないよ!」
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948: ◆Y.lj54HWGU[sage saga]
2017/01/12(木) 19:29:52.76 ID:bLxaTMkeo

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 イマイチ明華のツボがわからないメガンだった。

 これが、国境ーー。


 「とにかく、何とか探し出す手段を見つけないといけまセン」

 「しかし、中学生一人を探し出すなんて」

 「逆に考えるんデス。こっちが有名になればいいんでスヨ」

 「有名に?」

 「ええ、例えば全国制覇、トカ?」

 「それでは連絡の取りようがないです」

 「ダメでスカ。

  ドイツで結婚した雀士はそうやって知名度を上げたと聞きまシタ」

 「もし彼がハンドボールで有名になっていたら……」


 それは真っ先に考えたのだ。

 夏の大会が終わってすぐにハンドボール雑誌を読み漁った。

 元々の趣味だったのもあるが、今回は目的が違っていた。

 しかし目論見は外れ、彼がハンドボール雑誌に載ることはなかった。

 そもそも長野県代表は『去年と同じ中学』なんて書かれていて、彼が全国に出ていないことがわかってしまったのだ。

 彼が泣いているかもしれないことを考えると、少し胸が痛くなった。

 今までの明華ならば『負けるのは実力が足りなかっただけ』と一蹴するだろう。

 いや、今だってそうするはずだ。明華の成績は絶え間ない努力と圧倒的な才能によって構築されているのだから。

 でも好きな人が相手ならば甘くなってしまう。乙女とはそう言うものだった。


 「随分惚れ込んでいまスネ」

 「ええ、今の私があるのは彼のおかげですから」

 「そ、そこまででスカ?」

 「価値観が変わって視野が広くなった。全部彼のおかげです」


 過大評価もいいところだが、明華にとってはそうだった。

 実際京太郎は何もしていない。本人に言っても困惑するだけだろう。


 「一体、どんな出会いがあったんでスカ」

 「一目惚れです」

 「お、おおう」

 「彼のハンドボールの試合を見て、諦めずにひたむきに頑張る姿が格好良くて」

 「……そうでスカ」


 そこまで言ってからメガンは理解した。

 メガンも他の人より才能が劣ることに悩まされて来た身だ。

 自分はどうだろうか。同じように頑張る男の子がいたら共感する、かもしれない。

 それにしても『一目惚れ』なんてしてしまうのはとても理解できなかったが。



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