2:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:21:24.22 ID:RBrPvO4M0
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私が生まれた頃、既にみくはしばしばこの店に遊びに来ていた。
その頃はまだ一人で来ることよりも親と一緒に来ることの方が多かったように思える。
みくはよく私に話しかけた。みくの親が言うには、みくは猫が好きらしい。その話を聞いてご主人も「ミケもみくちゃんと遊んだってな」などと言っていたものだ。幼い私はご主人の言葉を聞き、「ご主人が言うなら仕方ない」と思ってみくと遊んであげることにした。
そうして私はみくとよく話していたのだが……そんな時、あることに気付いた。
みくは私と話せているが、他の者たちは話せていない、と。
子どもだから、というわけでもないことはたまに来るみくと同い年くらいの子どものことを思い出せばすぐにわかった。みくだから、私の言葉がわかるのだ。
これはすごい発見だ。そう思った幼い私はみくにそのことを伝えた。すると、
「そうなんや。……じゃあ、みくがミケちゃんのめんどうみたらなあかんなー」
微笑みながら、みくは私の背を撫でた。生まれた頃から知っているからか、みくは私のことを『妹』のようにして扱っている。実際、ご主人や常連客なども「みくちゃんはミケのお姉ちゃんやな」などということを言っているくらいだ。
確かに年齢上のことを考えればそうであろう。しかし、精神的な成熟度を考えれば私の方が『姉』だと思う。
……しかし、まあ、みくに撫でられるのは悪い気分ではなかった。
だから私は、姉のように振る舞うみくに反論せず、ただ撫でられることにした。
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