7:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:25:30.87 ID:RBrPvO4M0
「……どうやった?」
みくの言葉に、私は「にゃあ」と答えた。
素晴らしかった。
それは私だけではなく、ご主人や常連客にとってもそうだったらしい。
「良かったで、みくちゃん!」「みくちゃんは将来のトップアイドルやな!」
そういった声に、みくはくすぐったいようにして「言いすぎやわー」と照れていた。
確かに、今の歌でそこまで褒めるのは言い過ぎだろう。
しかし、だからこそ――だからこそだと、私は思った。
みくは愛されている。
愛される才能がある。
アイドルにとって最も大事なのは『愛されること』だと私は聞いた。
なら、みくはアイドルになれるだろう。
なんたって、前川みくはこの私が世界で最も愛している存在なのだ。
そのみくが、アイドルになれないわけがない。
「ミケちゃん!」
ご主人や常連客からかわいがられてから、みくはテレビの横でくつろいでいる私に駆け寄ってきて、思い切り私を抱きしめた。
「ありがとう! みく、絶対アイドルになる! 約束する! ミケちゃんに誇れるような、そんな、すごいアイドルになるって!」
みく。少し、苦しいのだが。
私がそう言っても、みくが私を抱きしめる力は弱まらない。
……まあ、今日くらいは我慢してやろう。
私は一言、「にゃあ」と鳴いた。
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