過去ログ - 前川みくと話せた猫の話。
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9:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:26:55.30 ID:RBrPvO4M0

5

「――おばちゃん!」

 そう言って、みくは自らの叔母である店主に抱きついた。

「ど、どうしたんや? みくちゃん。いったい、何が――」

 突然のことに驚きながら店主は尋ねようとして、ぎょっとした。

 みくは、泣いていた。

「ミケちゃんが――ミケちゃんの、言葉が」

 ミケ――店主は視線をみくから外し、ミケの方に向けた。しかし、何も変わっていない。店主の目には、そう見えた。

 だが――

「ミケちゃんの気持ちが、わからなく、なった……」

 みくの目から涙が溢れ、流れ、落ちた。

「にゃあ」

 ミケは鳴いた。



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