過去ログ - 新田美波「上書く口付け」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/17(土) 21:42:00.88 ID:CHRKUnfE0
「……プロデューサーさん」

「私は好きです、貴方が」

「私は大好きです、貴方のことが」

「私は愛しています、貴方という人のことを」

「きっと」

「きっとこれは、この貴方へ抱くこの想いだけは、他のどんな誰にも負けないと思えるほど」

「難しいことはわかっています。言葉では存在していても、現実にそれが叶うことはほとんどない。それほど、得難く遥かなものなのだと」

「でも、でもそれでも言える。言いたくて、言えるんです」

「貴方へのこの愛は、永遠なのだと」

「朽ちることなく、褪せることなく、わずかにも曇らず輝き続ける永遠なのだと」

「そう言える。そう言って、思えて、誓える」

「それほど」

「それほど私は、貴方に、本気なんです」


 囁く。

 身体全体を動かして前へ。プロデューサーさんの身体の上を這い、擦れ、進んで前へ。そうして位置を変え、内から漏れる熱い吐息にすっかりと染められてしまった唇を、ほんのり赤みがかった温かい耳元へと寄せて、優しく、そうっと、囁きを。

 私の想いを。好きを、大好きを、愛してるを。

 囁き伝えて、贈る。


「愛しています……」


 吐息がかかる距離からかすかに実際触れてしまうくらいの距離へまで唇を寄せて、そこでそっと空気を揺らし震わすような囁きをプロデューサーさんへ。

 唇を落とし、舌を這わせ、音を立てて吸い上げるように――私を刻むそんな口付けを注ぐように、胸元へ添わせた手を動かし撫でる。それまでしていたように、そしてそれまでしていたのとは違ってはっきりと意識を以て、私を刻み私で上書く私の意思をいっぱいに込めて撫でて愛する。

 私をそこへ塗り込み染み込ませるように。私でそこを溶かし蕩けさせるように。私で満たす、私だけで満たす、プロデューサーさんのそこが私だけで満たされるように。

 そうしてから、囁きを注いでから。そうしながら、胸元を撫でて愛しながら。そうしてそうしながら、唇を下へ。耳元から下がり、首元へと寄り、そこへ口付ける。


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