11:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:01:38.05 ID:Sa18P+fH0
坂と運河の街が近づく。
その街にはたくさんの日本人と少しのロシア人が住んでいて、旨い酒に旨い肴を今晩も楽しむんだろう。
地酒も地ワインもあることを思い出して、お土産には苦労しなさそうだなどと考えていた。
事務所には驚くことに同郷のアイドルがいて、地元の話をしたら彼女も懐かしんでくれるに違いない。
ロシア語混じりの日本語が今から楽しみだった。
俺は今から、親父に会いにいく。
冷たくなった親父に会いにいく。
東京に帰ってからも、それをうまく忘れてみんなと話せるだろうか。
いつも通りの生活に混じっていけるだろうか。
そんな不安をすっぽり抱きかかえて、家の近くの駅で降りた。
冷えた空気は、間違いなく故郷のにおいがした。
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