過去ログ - モバP「人類は今、週末を迎える…」
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2016/09/18(日) 01:44:20.15 ID:iMa1eE1s0
 「何でって…プロデューサーさんを待ってたに決まってるじゃないですか!全くそんなことも分からな痛たたたたたた!?」 
  
 サラサラの髪を持つアイドルの頭を掌で締め上げる。確かに何でとは聞いたが下らない理由であることだけは分かった。 
  
 「親に連絡は?事務所に許可は?この後家まで帰る手段は?順番に答えろ」ミシミシ 
5: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/18(日) 01:52:42.40 ID:iMa1eE1s0
 「な、何でですか!タクシーくらい1人で乗れます!」 
  
 どうやら彼女は、1人でタクシーに乗れない子供だと言われたように感じたらしい。 
 面倒なので訂正しなくてもいい気もしたが、彼女の性格上訂正しなければさらにゴネるだろうことは容易に予想できた。 
  
6: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/18(日) 02:06:16.84 ID:iMa1eE1s0
 「…帰り支度をしろ、輿水」 
  
 「は、はい…で、でもタクシーがダメならどうやって…」 
  
 「……まぁ、待たせたのは俺だ。送るくらいはしてやる」 
7: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/18(日) 02:16:26.07 ID:iMa1eE1s0
 車に乗り込み、エンジンを掛ける 
  
 「で、何で今日に限ってこんな遅くまで待ってたんだ」 
  
 「そ、それは…」 
8: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/18(日) 02:23:01.29 ID:iMa1eE1s0
 彼女はナルシストだが、傲慢ではない。人が嫌がっていることはしないし、よく周りが見えていて気が効く。 
  
 彼女のそういうところは評価しているし、好ましく思っている。 
  
 だから、少し驚いた。 
9: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/18(日) 02:39:10.51 ID:iMa1eE1s0
 「…あの…え、っと…」 
  
 彼女の眼が泳ぐ。それは何かを隠そうとしているではなく、何があったのか聞いて欲しい。そんな様子だった。 
  
 信号が青になる。 
10: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/18(日) 02:47:44.99 ID:iMa1eE1s0
 「……コンビニ、寄るか」 
  
 「…いいんですか、早く帰りたいんじゃ…」 
  
 「お前送ってる時点で変わらないよ」 
11: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/18(日) 02:57:19.45 ID:iMa1eE1s0
 「…何も聞いてくれないんですね」 
  
 缶の中身を啜りながら彼女は言った。 
  
 「聞くまでもないからな」 
12: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/18(日) 03:06:36.66 ID:iMa1eE1s0
 「…お前が何で悩んでるかなんて、聞くまでもない」 
  
 「っ……」 
  
 彼女の表情が悲しみに歪む。 
13: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/18(日) 03:16:23.78 ID:iMa1eE1s0
 「まぁ、そこは何でもいいさ。…それで、どうする?」 
  
 「…どう、するって…それは…」 
  
 彼女は再び目を伏せる。我ながら性格の悪い聞き方だと思う。 
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