過去ログ - 【安価】変身ヒーロー的な能力バトル
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98:名無しNIPPER[saga]
2016/09/19(月) 18:05:19.17 ID:JQcCM25G0
配送された機鎧駆は、腕輪の様な小型兵器で、渡されたそれを装着すると、俺と茨城は廃工場の跡地へと連れてこられる。
鉄の扉が開かれる。砂埃が光に反射して舞い、陰気臭い瘴気が鼻を突いた。
複数の、腕輪を取り付けた男と、のち二名が機鎧駆を使役して一人の男に蹴りを入れていた。
酷い惨状だった、一人の人間がこれ程までに流したのかと疑ってしまう程の血液を男は吐しゃ物と共に吐きだし、耳をひっかく様な嗚咽が、その男の人間味さを引き出している。
「よーし、裏切り者にもう一発やっちゃってー」
「ゃ、やめ」
機鎧駆を来た男が拳を振り上げた。合えて胴体を狙わず、最早原型すら留めていない掌を地面に押さえつけて、振り上げた拳を掌に叩き付けたのだ。
ただ、殴るだけならば胴体を狙えば良い。だが、機鎧駆を装着している男は、弄っている。遊んでいる。
辛うじて、生命に響くことの無い贓物より離れた部位を叩く事で、殺さず、かつ相手に痛みを与えている。
その証拠に、男の服はすべて剥がされており、その内、顔や胴体と言った部位には傷一つ無く、代わりに、手足や耳元には治癒不可能な傷が残されてあり、在ろう事か生殖器の竿の腹当たりから先が刃物で抉られていた。
「今度はどうする?目ぇ焼いてみる?」
「やめとけやめとけ、流石にショック死するわ」
そして、俺は平然としながらも、内心に疼く嗚咽を我慢していた。男の姿を見て、心が荒み、その男を弄る周囲の人間の平然さを見て、その非情さに驚愕したのだ。
「ん?おぉ、茨城ちゃん、よく来たね、ん?じゃあそっちが新人くん?」
茨城「えぇ、坂井、挨拶」
坂井「……ぇ、ぁ。坂井浩二、です」
「んーんー、よろしく!!まあ俺の紹介は別に良いでしょ。それよりも、さっさと仕事しちゃって」
そういって、男は襤褸雑巾の様に項垂れる裏切り者を指した。
既に息絶えかけの男は、失望した、ガラス細工の様な瞳で、俺を見ていた。
この、死に掛けの男を俺に殺せと?
茨城「さあ、早くなさい……でないと、私も貴方もああなるわよ」
襤褸雑巾の様になると。
改めて、思う。
俺は、とんでもない処に入ってしまったのだと。
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