21:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:06:17.96 ID:iQuGjVDwo
  
 「やほー、杏ちゃん、来たよー」 
  
  ベッドの上で所在なさげにぼうっとしていた杏が、きらりの姿を認めると言った。 
   
22:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:06:44.91 ID:iQuGjVDwo
  
 「大切にしてるよ?」 
  
  一瞬、杏は口を閉じ、くふくふと笑った。 
  
23:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:07:11.61 ID:iQuGjVDwo
  
  肯定されてしまえば、自分は杏と一緒にいられなくなる。少なくとも、こんなつきあい方は出来なくなる。 
  そう、感じてしまうから。 
   
  そして、きっと、多分、杏は、肯定を、する。だろうから。 
24:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:07:38.15 ID:iQuGjVDwo
  
 「わかってあげないと?」 
  
 「まゆちゃんに取られちゃう」 
  
25:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:08:04.95 ID:iQuGjVDwo
  
 「杏ちゃん?」 
  
 「べっつにぃ、Pがモテてるのは杏の自慢になるから良いもんねー」 
  
26:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:08:31.61 ID:iQuGjVDwo
  
  杏はくふくふと笑う。 
  
  自分は妻だと、唯一の妻だと言うように。 
  凛でもまゆでもない、自分が妻だと言うように。 
27:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:08:57.81 ID:iQuGjVDwo
  
 「早く出てこーい、可愛い赤ちゃん」 
  
  きらりは杏のお腹に冗談めかして呼びかける。 
  
28:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:09:25.01 ID:iQuGjVDwo
  
  きらりがふと時計を見たとき、杏は言った。 
  
 「ねえ、きらり」 
  
29:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:10:17.57 ID:iQuGjVDwo
  
  ねえ、三人目。そんな声が聞こえたような気がした。 
  
  くふくふ 
  
30:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:10:45.33 ID:iQuGjVDwo
  
 「約束してよ。子供を選ぶって」 
  
  ほら、三人目。私が居なくなるんだよ。 
  
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