35:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:13:07.21 ID:iQuGjVDwo
「やだ」
杏の声がはっきりと聞こえた。
笑いが止まった。
「こんなの、やだ」
きらりは視線を降ろした。
そこには、杏がいた。
涙目の杏がいた。
笑い声の止まった杏がいた。
嫌だ、と呟く杏がいた。
「杏ちゃん?」
一瞬の空白の後、再び笑い声が聞こえ始めた。
身を翻し、きらりは病室を出る。
それ以来、きらりは杏の姿を見ていない。
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