過去ログ - 花丸「今日も練習疲れたなあ…。」
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30:名無しNIPPER[saga]
2016/09/21(水) 02:18:26.24 ID:M3FiOxds0

言っている意味がよくわからなかった。

ここで、本を読む?

花丸「で、でも梨子さんは?」

梨子「私はピアノでも弾いていようかなって。最近弾けてなくて、弾きたかったし。あ、音あると読めない?」

花丸「ううん、マル、本読んでるときはうるさくても聞こえないから…。」

梨子「そう、よかった。さすが花丸ちゃんだね。」

そう言うと梨子は、ゆっくりと鍵盤に手を置いた。

最初は遠慮がちに、低い音がポーンと鳴る。

自分は馬鹿みたいに口を開けてそれを見ていた。

それでも、本を読みたいのは本当だった。

躊躇いながらも表紙をめくった自分に、梨子が微笑んでくるのが見えた。

気にしてはいなさそうだし、それなら。

ぺらりぺらりとページをめくる。

意識の奥から、優しい旋律が入り込んできた。

数々の音符に飾られ、文字がしっとりと流れ込んでくる。

ああ、気持ちがいいなあ――。




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