過去ログ - 花丸「今日も練習疲れたなあ…。」
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8:名無しNIPPER[saga]
2016/09/21(水) 01:56:07.86 ID:M3FiOxds0
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木曜日、練習前に梨子に本を貸した。
梨子「花丸ちゃんありがとう!でもほんとによかったの?」
花丸「うん、マルは大丈夫だから!」
梨子「そう、かな。ならいいけど。あ、そういえばあの本だけどね!」
梨子と本の話をする時間が好きだった。
ピアノを弾いているからか感受性にも表現にも優れる梨子の感想は、
思いもよらぬ気づきを与えてくれたり、逆に忘れていた感動を甦らせてくれたりする。
でも今日は、何かがおかしかった。
身体の、いや、へその辺りをぐむぐむと押されているような気分だった。
体調不良か、何か不安か、疲れているのか、いや、焦り――?
変な顔をしていることに気付いたのだろうか。
梨子が心配そうに顔を覗き込んできた。
梨子「あ、ごめんね。私ったらしゃべりすぎちゃって。」
花丸「ううん!梨子さんの話、綺麗で好きずら。」
梨子「ほんと?何かちょっと恥ずかしいな。でも私も花丸ちゃんの話、好きだなあ。」
花丸「そ、そうかな…。」
ストレートに言われ、照れてしまう。自分の本の話を褒められた経験はほとんどなかった。
梨子「ふふ、顔赤いよ?ほら、練習行こっか。」
練習。疲れきってしまう未来を想像して、溜息をついた。
千歌が元気に屋上のドアを開く。
青々とした快晴のはずの空は、なんだか灰っぽく見えた。
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