過去ログ - QB「言い訳になるけれど」
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18: ◆iCtkvfDqRw[sage saga]
2016/09/23(金) 09:59:30.59 ID:1D2MtuatO


牛や、豚や、鶏に対して、彼らを食べるのは間違っているから逃がしてあげよう、

などと、人の農園から家畜を開放して回る人が居たとしたら、正常な人間の価値基準に於いて、それは精神疾患というほか無いだろう。
僕達は魔法少女が躊躇いもなく肉や野菜を食べていることを残酷とは思わない。
しかし僕らは人間に対して、人間が家畜に対して行うことよりもずっと譲歩をしている。
人間は人間同士ですら集団や個性に差異を見つけて差別や虐殺をするけれど、僕はどんな人間であろうと魔法少女の素質があれば契約を結ぶ──

などということを暁美ほむらに話してみたが相手にされなかった。

彼女の問いの本筋から逸れたが、『かつて魔法少女に味方をしてインキュベーターを裏切ったインキュベーターがどれだけ居るのか』という思考実験に対する問いの答えは概ねこんなところにある。
後半部分はともかく、精神疾患のインキュベーターを人間に例えると、どれ位の精神疾患になるのか、という具体例を挙げたわけだ。

暁美ほむらの目に警戒の光が差したようにも思えるが、この程度は今更彼女に隠すほどのことではない。

彼女の断片的な情報を総合すると、暁美ほむらは僕達がこの立場だったらこうするであろうことを一通り経験しているようだった。
いざとなれば宇宙ごと世界を改変するという切り札を持っている以上、話せることは話してしまったほうが良い。

僕達は人間よりも高い文明を持つけれど、人間から外れた暁美ほむらに対しては大分制御されてしまっている。

彼女はかつて時間遡行という珍しい力を持った魔法少女だった。
本来は一匹の魔獣も倒せずに死んでしまう運命だった彼女は仲間に恵まれたのか、或いは時代にも恵まれて魔獣を倒す術を身に着けた。
改変前の魔獣という部分については、正確には魔獣級の未確認の怪物という意味であるが、今のところ情報が揃っていないため、魔獣という名称で通している。

彼女は幸運といえるのか、どうか。
その運命の運びはともかく、結果的に暁美ほむらは概念の地位にまで辿り着いた。
あらゆる彼女達自身の特異性を排して、その他の要素は全て偶然だったのか。





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