過去ログ - QB「言い訳になるけれど」
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29: ◆iCtkvfDqRw[sage saga]
2016/10/03(月) 22:03:41.33 ID:S5a4eXIOO




「何でそういうことを早く言わないのよ!!?」




帰宅後の勉強を終えたタイミングで、僕は暁美ほむらに必要なことを話す。
暁美ほむらは叫ぶが、引いて済むようなことでもない。


「僕は何度も説明をしたはずだよ。僕達の目的はエントロピーの増大による宇宙の滅びを止めることだって」


人類に観測されていないだけで、宇宙は複数構造となっており、ある宇宙は重力の膜を通して存在する。
宇宙は生成と消滅を繰り返しており、生成される宇宙の性質は宇宙ごとに全く違う。
物質の移動が光速までに制限されるのも、時間の移動が不可逆的なのも、この宇宙の代表的な力が四つなのも、その中で重力の力が極めて弱いことも、この宇宙に限った話でしかない。

ただし、時間の移動に法則性のない宇宙などは複雑な物質の存在すら出来ないわけで、僕達はこの宇宙に多くの制限があることを歓迎するべきだ。
ともあれ、ある宇宙同士は完全に断絶され、ある宇宙同士は簡単にお互いを通過することが出来る。

多くの宇宙は平均化によって空虚になることを運命づけられており、僕達が観測に成功したその外宇宙がこの宇宙を通過すると、多くの物質は激しい干渉と相互作用からばらばらに引き裂かれて消滅し、この宇宙はからっぽに成り果てる。

人類は未だにこの世界の多重次元構造さえ観測できていないのだから、予測することは困難だろう。
だが、この世界をからっぽにする外宇宙はこの宇宙のすぐ傍まで迫っており、地球上の時間の尺度を当て嵌めると宇宙同士の接触に掛かる時間はもう数日と空いていない。
近づきつつある外宇宙の進路変更か停止を行うには、鹿目まどかや暁美ほむらクラスのエネルギーをかき集める必要があり、僕達インキュベーターは未だノルマを達成することなくこの日を迎えた。


……ということを、僕は正直に暁美ほむらに説明した。





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