39: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/09/25(日) 18:04:04.73 ID:d4YmaynD0
同情を買うために話すわけではない。
でも今のそういうフリみたいになってたら嫌だな。
「南合とさ、私の最初の友だち――天子って言うんだけど、二人は付き合ってたの」
天子(てんこ)。
あんたの話するけど、どうせ出てこないから関係ないでしょ。
「南合はもともと女王様気質な所があって、天子は性格的に下僕っぽい感じだったから、噛み合ったんでしょうね。付き合い始めた時は不安しかなかったけど、二人の話を聞いてる内に、ちゃんと青春してるんだって思うようになった。女子高だし、女同士でって珍しい話ではないから、周りもそれほど囃し立てたりはしなかった。順調に仲を深めてる、そう私も思ってた」
ゆうはいつの間にか、正座していた。
「でも、南合がある日急に取り巻きを作るようになって、天子もその一員だとかって言い始めた。南合はさ、一人じゃ満足できなかったんだよ。天子は南合だけだったのに。天子は南合に愛想を尽かすことはなかったけど、距離を取った。それがいけなかった。南合は天子に嫌われたと思ったのか、天子を徹底的に叩いた。天子はもともと南合に逆らえるタイプじゃなかったし、教室に入れなくなるまでそう時間はかからなかったよ。今じゃ、私の友だちは立派に引きこもってるってわけ。そういうのもあって、南合と話をするのも同じ部屋にいるのも正直嫌だし、南合と一緒にいるあんたも嫌」
ゆうは小さく頷いた。
「天子には早く学校に戻って来てほしいけど、南合を消すくらいしないとね。そうそう、南合を刺して欲しいって言うの、あれ本当だから」
私は言い終えて、ケーキを一口食べた。
いちごが甘酸っぱい。
「これ、美味しい」
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