過去ログ - 大神「…もう決めたのだ。許せ」朝日奈「そんなの、嫌だよ…お願い、ドクターK!」カルテ.7
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17: ◆takaJZRsBc[saga]
2016/09/25(日) 20:11:56.20 ID:Z3FAymaw0

「…………」

「…………」


撤去作業中、KAZUYAもセレスも無言だった。

上に何百キロも木材が乗っているため、KAZUYAの体は必然的に地面と近くなり、
セレスと顔が近い。その距離は、もはや30センチもない。

頭部の皮膚が裂けたのか、KAZUYAの額からは血が流れている。
流れている血と汗が混じり合ってセレスの顔にぽたり、ぽたりと落ちた。


「……大丈夫ですか?」

「……問題ない」


KAZUYAの彫りが深い端正な顔が苦痛で少し歪んでいる。
だがKAZUYAは呻き声一つ漏らすことはなく、ただ歯を食いしばって黙って耐えていた。
そして濁り一つない真っ直ぐな目で、セレスの目を覗いている。

そこにあるのは後悔か、やるせなさか。

セレスは目を逸らすことが出来ない。それは何よりも辛い精神的な責め苦のように感じた。


(馬鹿なことを、したものです……)


無言のKAZUYAと見つめ合いながら、セレスは初めて後悔の念を持った。

今まで自分の行動に後悔したことなどない。過激なギャンブルの結果、相手が破産する姿など
何度も見てきた。だがそれは彼等の自業自得だし、基本的に彼女は他人がどうなろうと気にしない。

関係ないからだ。他人がどうなろうと自分には関係ない。

そんな自分中心の思考を持つ彼女でさえ、殺人は流石にやり過ぎではないかと
思うことは正直何度もあった。いくら他人とはいえ人の命を奪うのはどうなのかと。




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