過去ログ - 大神「…もう決めたのだ。許せ」朝日奈「そんなの、嫌だよ…お願い、ドクターK!」カルテ.7
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19: ◆takaJZRsBc[saga]
2016/09/25(日) 20:48:09.14 ID:Z3FAymaw0

そんな時に、まるで自分の背を押すような大金を差し出されたらセレスはもう動くしかなかった。

自分は悪くない。脱出のために仕方ない。黒幕が全て悪いのだと言い訳しながら。

しかし、悪くない訳がないのだ。監禁を我慢し夢を諦めているのは他のメンバーも同じ。
実際に大怪我を負い、常に死の恐怖に怯えているのは彼等も同じなのだから。

KAZUYAに殴られようが、オシオキで死のうが本来なら甘んじて受けなければいけない。


……それでも。


それでもKAZUYAは自分を助けた。

己の身を盾にして、恨み言一つ言わずに――


(西城先生。あなたは……あなたは本当に立派な人ですね……)

(きっと、誰かに言われなくても……自然に体が動いて……
 そうやって、いつも当たり前のように誰かを助けているのでしょう……)


KAZUYAの言った通りだ。金で手に入る人間関係など何と薄っぺらいことだろう。
容姿がどんなに良くても、中身の伴っていない人間に価値があるのだろうか。

そして目の前の人物は頭脳、力、技術、容姿、人間性。その全てが揃っていた。


(たくさんのイケメンに囲まれて女王のような生活を送るより、たった一人でも真の騎士と
 呼ぶに相応しい人間を手に入れて守ってもらう方が、よっぽど有意義でしたわね……)

(……今更それに気付いても、何もかもが遅すぎたのですが)

「先生、汗が……」


身じろぎして自由な右手を何とか動かすと、KAZUYAの額の血と汗を拭う。




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