過去ログ - 大神「…もう決めたのだ。許せ」朝日奈「そんなの、嫌だよ…お願い、ドクターK!」カルテ.7
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584: ◆takaJZRsBc[saga]
2017/07/03(月) 01:08:25.26 ID:aXcUBvN00

「……始めよう」


KAZUYAが遺体に礼をして合掌すると、生徒達も無言で倣う。


「…………」


実際の教育現場では、一つの献体を一月近く時間をかけて丁寧に解剖し講義していく。
だがKAZUYAに残された時間はなかった。結果的に朝から晩まで解剖浸けの日々を送ることとなる。


「うえぇ……」

「全員マスクは持ってきたな? 付けた方がいい」

「はい……」


人体解剖において最も厳しいのは、実は視覚ではなく嗅覚だ。人間を解剖する前に
魚や鶏、ネズミ等を散々解剖してきているから、医学生達も今更血や内臓では怯まない。

だが、劇薬であるホルマリンから放たれる刺激臭は別だ。


(遺体を常温で保存するには、細菌等で腐敗しないよう強力な殺菌作用を持つホルマリンなどの
 保存液を動脈から投与し、全身に行き渡らせる。そのため遺体からは強烈な激臭がするのだ)

(俺にとっては懐かしさすら感じる臭いであるが……生徒達には厳しかろう)


この臭いは慣れるまで人間の目や鼻腔を酷く刺激して、ダイレクトに体調を悪くさせる。
そのため最初のうちはマスクをしたり、目を保護する眼鏡等を装着する生徒も少なくない。
服も悪臭がこびりついてしまうため、汚れてもいいジャージを着用させた。




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