過去ログ - 藤原肇「Happy Endで始めよう」
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23: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/09/23(金) 12:01:04.13 ID:xjUUEHux0

工房の中には、臙脂色の作務衣を着た若い女性が一人。こっちを見るやいなや、少し驚いたように目を見開いた。

先に口を開いたのは俺の方だった。

「肇…だよな?」

「…はい。お久しぶりです、Pさん」

そう言ってその女性はニコリと微笑んだ。
やはり、肇だった。

「ああ、久しぶり」
「…いや、驚いた。すごく綺麗になってたから、別人かと思ったよ」

つい、本心が出た。高校生の頃は、子供特有のあどけなさや可愛さも残っていたが、その面影は消え、まさに美人となっていた。
もともと長めだった髪を、さらに少しばかり伸ばしているようだ。

「あら?昔の私はそうじゃなかったって言いたいのですか?」

「いや、そういうわけじゃなくて…」

口ごもっていると、肇はくすくす笑って、

「冗談です。私だって、もう23ですよ?お酒も飲める年になってますから」

「確かに、そうだな」

「ちょっと待っててくださいね、着替えてきます。流石に作務衣では…」

肇はそう言って、手に付いた土を洗い流し、工房を出て家に向かった。


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