過去ログ - 神谷奈緒「芳乃様に叱られるから」
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22:名無しNIPPER[saga]
2016/09/23(金) 19:41:48.56 ID:Ml0TRzBmo
もう探す物も無くなってあたしたちは部屋に戻ってきた。
動き回ったせいで少し汗をかいた。
夏の暑さ特有の、ベタっとしたいやな汗だ。
あたしはこういう暑さが苦手だった。こう……蒸れるんだよな。色々と。
23:名無しNIPPER[saga]
2016/09/23(金) 19:42:57.60 ID:Ml0TRzBmo
奈緒「……芳乃? なにしてるんだ?」
目を離したスキに芳乃はさっきのCDを興味深そうに調べていた。
芳乃「このしーでぃーとやらは何に使う物なのでしょうー?」
24:名無しNIPPER[saga]
2016/09/23(金) 19:44:13.14 ID:Ml0TRzBmo
芳乃「おお〜……でしてー……!」
あたしはその時はじめて芳乃に表情の変化を見た。
目をまんまるにして驚いてる。
笑っちゃうくらい新鮮な反応だ。
25:名無しNIPPER[saga]
2016/09/23(金) 19:45:06.96 ID:Ml0TRzBmo
そうだ、今度お見舞いに行く時に持っていくって約束した奴!
あれ学校に置きっぱなしにしてるんだった!
あたしの馬鹿〜ッ
……はぁ。
26:名無しNIPPER[saga]
2016/09/23(金) 19:46:05.65 ID:Ml0TRzBmo
芳乃「なぜかは分かりませぬがー、そなたから遠くへ離れすぎるとー、まるで見えない糸がぴんと張るようにー、わたくしを引き止めるのですー」
そういう事か。
まあ縁結びの呪いっていうくらいだもんな。
見えない糸の一つや二つあっても不思議じゃない。
27:名無しNIPPER[saga]
2016/09/23(金) 19:47:03.77 ID:Ml0TRzBmo
聞き間違いかな。
思いもよらない言葉が返ってきたぞ。
今、「嫌だ」って言ったのか?
芳乃「それより奈緒ー、こっちのしーでぃーは違う音曲が奏でられるのでー?」
28:名無しNIPPER[saga]
2016/09/23(金) 19:48:25.05 ID:Ml0TRzBmo
芳乃はひざを抱えて床に座り込み、テコでもその場から動かないつもりらしい。
神様でも意地を張るんだな。
あたしはそんな事を考えながら、まあ一曲くらいならいいかと思って芳乃のわがままを許してやる事にした。
CDをセットして再生すると芳乃はそれまで駄々をこねてたのをぴたっと止めてラジカセの前に正座した。
神妙な顔つきで耳を傾けてる。
29:名無しNIPPER[saga]
2016/09/23(金) 19:49:12.77 ID:Ml0TRzBmo
芳乃「こう見えてもわたくしはー、村一番の舞手として名を馳せておりましたのでー」
奈緒「へぇ〜……」
本当かよ。
30:名無しNIPPER[saga]
2016/09/23(金) 19:50:41.04 ID:Ml0TRzBmo
奈緒「……何してんの?」
芳乃「これぞ古来より美城山に伝わる神降の儀のー、その窮極の舞でしてー」
そう言いながらくるくる回って、静かに飛んだり跳ねたりしてる。
31:名無しNIPPER[saga]
2016/09/23(金) 19:51:35.30 ID:Ml0TRzBmo
あれ?
もしかして怒ってらっしゃる?
芳乃「…………」
32:名無しNIPPER[saga]
2016/09/23(金) 19:52:26.76 ID:Ml0TRzBmo
芳乃「ただしー、あんまり不敬を働くようだと祟ることも辞さないゆえー、ゆめゆめ用心されたしー」
奈緒「た、祟り!? ……って具体的に何をされるんだ?」
芳乃「それはもうげにおぞましき災いの数々でしてー」
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