過去ログ - 【ガルパン】逸見エリカ「友情は瞬間が咲かせる花であり、時間が実らせる果実である」
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11:名無しNIPPER
2016/09/24(土) 02:00:18.75 ID:+3HHJ9Wn0
〜〜

「はあ、はっ、はぁっ! も、もうだめぇ……」

私の耳に後方から届いた声。

赤星小梅で合っているのかしら。

これまで先頭の自分にぴったりとついてきていた彼女のペースが落ちていくのを、背中で感じた。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ!」

その瞬間、私にもドンッと疲労が伸し掛かる。

ここまで先頭で、自分でもハイペースだと感じる速度で走り続けられたのは彼女への対抗心が燃料になっていたからに間違いない。

足が上がらなくなってきた。

走りきれる、だろうか。疑問が浮かぶ。

開け放しとなった口の端へと、額から流れ落ちた汗が伝う。体内に残された僅かな燃料が尽きかけ、視界が滲む。滲んだ視界が大きくぶれる。

「はっ、はっ」

その時、微かな風。

普段ならば感じることも無いような、微かな風。

しかしその風は、強烈に吹き荒んでいたかのような。

限界まで火照り、熱を持った私の身体に、そんな錯覚を覚えさせた。

「はっ、はっ、はっ、はっ」

西住、みほ。

憧れの西住まほ隊長の妹。

頼りなさそうにしか見えなかった、これまで全くその姿を感じなかった西住みほが、颯爽と私の脇をすり抜け先頭へと躍り出た。

速い。

速過ぎるわよ、この終盤で……!

でも。

歯を食いしばる。

よろめきかけた足を思いっきり地面に叩きつけ、踏みとどまる。


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