過去ログ - 【ガルパン】逸見エリカ「友情は瞬間が咲かせる花であり、時間が実らせる果実である」
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3:名無しNIPPER
2016/09/24(土) 01:51:04.89 ID:+3HHJ9Wn0
「―—さん。エリカさん」

揺り動かされて、目を覚ました。
にじむ視界の中心に、ぼやっと癖毛の頭が見える。

「あ……小梅……?」

その輪郭には見覚えがある。
パチパチと数回瞬きをして、目を擦るとようやく世界から曇りガラスが外れてくれた。

「そうですよ。戸締りに来たら、エリカさんが眠っていたので。風邪をひきますよ」
「……そう。作戦を考えてたはずなんだけど……眠ってしまっていたのね、私」

ようやく意識がハッキリとしてきた。
同期、赤星小梅の微笑みに、気恥ずかしさを感じる。
誤魔化すように、椅子に座ったまま凝り固まった体を伸ばし、小さく呻いた。

「はい。根を詰めるのはいいですけど、体を休めることも忘れないでください。明日は大洗女子学園との練習試合なんですからね、逸見隊長」
「分かってるわよ……少し、うたた寝してしまっただけよ」

逸見隊長、という呼ばれ方にはまだ慣れない。
私にとって隊長とはやはり西住まほ前隊長であるし、自分がこのような立場になるなど、ほんの一年前には考えてもいなかった。
……そう、考えてもいなかった。

「それが問題なんです。あのエリカさんが戦車道の事を考えながら居眠りなんて考えられません。疲れがたまっているんです。最近、寝てないんじゃないですか?」
「毎日ベッドで戦車道の事を考えながら寝てるわよ」

僅かに責めるような色を滲ませる小梅の問いかけ。
フフッと笑みを浮かべ、再び誤魔化しにかかる。

「鈍いふりして話を逸らさない。どうなんですか?」

ツッコミ待ちのちょっとしたジョークに、冷静な返答が帰ってくると辛い。
慣れないことをするものではないわね。
思わず顔を覆う。


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