過去ログ - 【ガルパン】逸見エリカ「友情は瞬間が咲かせる花であり、時間が実らせる果実である」
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7:名無しNIPPER
2016/09/24(土) 01:55:19.95 ID:+3HHJ9Wn0
「……夢の話なんだけど」
「はい」

ポツリポツリと、唇が夢で見た景色を紡ぎはじめる。

どうして口に出そうと思ったのかは、自分でも分からない。

胸の中の苛立ちを吐き出したいだけ、きっとそうだ。

そうに決まっている。

夢の中で私が戦車道の試合をしていたこと。ティーガーUの車長であったこと。目の前で敵のフラッグ車をティーガーTが撃破したこと。そして……その車長が西住みほであったこと。

記憶から抜け落ちる前に、言葉にし終ることが出来た。

感極まって抱き合ったことまでは、ついに口にしなかったけど。

「……少し、辛いですね」

語り終えると、これまたポツリと小梅が言う。

「辛くなんか。ただ……ただ。どうしてあの子じゃなくて、私が隊長なんだろう、って。どうして、あの子がここにいないんだろう、って。思っちゃったわ。悔しいけど」

私は、西住みほのことを宿敵だと思っている。

最近はようやく心が平静を取り戻しつつあるが、みほの事ならば戦車道から好きな食べ物まで、全てを否定してやりたいと思っていた時期もある。

「……思い出しますね。一年生の頃」
「……ええ」

小梅は制服のポケットから自らの携帯電話を取り出した。

その行動の意図が、私には分かる。

彼女の携帯電話の待ち受け画面が、みほを加えた三人で撮った写真であることを知っているから。

……全ての始まりは、一年生。

入学してすぐに始まった戦車道の練習、その初回。

西住みほとの出会いから始まったのだ。


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